だむだむ畑

いろいろ植えてます。

おすすめされた映画の感想文④2001年宇宙の旅

2001年宇宙の旅 (字幕版)

ちょっとよくわからない。

 

1つ前の『時計じかけのオレンジ』の監督繋がりということでおススメいただいた作品。初見の感想は上記の通り、まるで意味がわからんぞ!でした。

 

解説やナレーションはないし会話シーンもかなり少ない。そもそも分からせる気がないというのが正解ではなかろうか。見終わった後に解説サイトなどを巡ってみたが『原作によると何々』ばかりで「作品内で分からんと意味ないやろがい!」と憤慨するに至りました。

 

しかし考えてみれば宇宙なんて分からないことばかりですよ。なのでここでは分からないことがもう宇宙の旅だと拡大解釈することで対応しております。

 

さて、タイトルに『宇宙の旅』とあるのだから当然地球外の話だと思って視聴を始めたところ、なぜか僕は荒野の猿を眺めることになった。もしや間違えて『アニマルプラネット』を視聴してるのではと不安になるぐらいにはこの映画の序盤は冗長に猿を見せられる。さっさと跳ばそう

謎の黒い壁と接触した猿が動物の骨を使うことを覚えたシーンは荘厳なBGMもあって偉大なる一歩感がありましたね。それを使って対抗勢力をボッコボコにして喜んでましたが、横に転がってる石使った方が強いのに所詮畜生だなーと人間視点で愉悦に耽ることができるのでここが猿編のハイライトでしょう。

 

ようやく舞台が宇宙に移ると今度は人工衛星スペースシャトル、基地等をまたもゆっくりと舐めるように見ることになりますが今度は退屈はしなかった。現代において尚リアルに近未来的な世界が見ててワクワクするんですよね。宇宙食を食べながら談笑してるシーンがお気に入り。「これはチキンか?」「味はそっくりですよ」こういうのが見たかった。

HALの恐怖

宇宙という本来人間が活動できない空間でその生命維持を担っている機械が故障するとどうなるか?ましてやそれが意思を持った存在だとしたら?

 

中盤から探査船のクルーとして登場するAIのHAL。彼が反乱を起こしクルーが淡々と命を絶たれていくのだが、それがもう寒気がするほど怖かった。個人的に今作で一番の見どころだと思う。

 

まず目のように見えるカメラがすでに怖い。頻繁にアップで映されるのだが観察されているのだと感じた途端血の気が一気に引いた。当然ながら生きている感じがまるでしない声も相まってもの凄く冷える。機能を停止させられそうになった際に何度も何度も命乞いをするのも心に来るものがあった。こいつはトラウマものだろう。

スターゲート

光の帯と宇宙空間の映像。今作で話題になるシーンの筆頭で、なんでも当時はこれを見てトリップするのが流行ったのだとか。まるでドラッグのような言われようだが、正直よくわからなかった。映画館の巨大スクリーンと良質な音響で体験すればまた違うのかもしれないが、ご家庭のテレビで視聴した僕はトリップどころか眠くなってしまったので個人差があるのかもしれない。

宇宙を感じる話

とにかく宇宙での描写がいい。シャトルの着陸施設、ステーション内の設備、そこで生活する人々。探索船の内部も全然理解できないがもの凄く説得力がある。SFの常識を変えたと言われてるだけのことはあるので余計なことを気にしない人なら見て楽しめると思う。余談だが続編もあるらしいのでその内見るかもしれない。

 もっと余談

この映画を撮る際に監督のスタンリー・キューブリックが漫画の神様「手塚治虫」に美術担当でオファーを出したが忙しすぎて断られたというエピソードがあるらしい。それが縁でか知らないが手塚治虫の著書内に本作と設定の似た話があるのをご存じだろうか?その名も「火の鳥、宇宙編」こちらも文句なしに名作なんで波長が合えば読んでみるのもいいでしょう。

 

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2001年宇宙の旅 (字幕版)