だむだむ畑

いろいろ植えてます。

忍術バトルRPGシノビガミ、お初でござる④(ロードムービー改)

前回はこちら

メインフェイズ サイクル3

 サイクル3 緒方友蔵 行動:パペ○トマペ○トの秘密を探る

f:id:kya-9:20180808052336p:plain

パペ○トマペ○トーー謎多き男である。

時姫を直接研究していた斜歯忍群所属という重要ポジションにも拘わらず何故か他の忍者から一切接触を持たれていない。

もしかしたら盤面をひっくり返せるような重大な事実を握っているかもしれない。そう考えた緒方友蔵は起死回生の一手としてパペ○トマペ○トの【秘密】を探ることにした。

 

強い雨が降り出し、人々は軒を求めて大慌てで駆けだしていく。

すっかり湿気ってしまったパペ○トマペ○トに緒方友蔵は傘を差しだした。

緒方「そんなんじゃ芸が台無しですよ」

かえるくん「ぼくは雨が好きなんだけどなぁ。ねえ、うしくんは雨が好き?」

緒方「ふふふ、お近づきの印にこの牛カルビ弁当をあげるよ」

かえるくん「えっ、うしくん!?いつの間に弁当に?」

🐮パペ○トマペ○ト🐸

コントに協力するという高度な【対人術】をアドリブでこなした緒方友蔵に心許したパペ○トマペ○トはついつい【秘密】を喋ってしまう。その内容とは!

パペ○トマペ○トの秘密

 時姫には能力暴発と秘密漏洩を防ぐための安全弁として、プライズ『爆柘榴(はぜざくろ)』が仕掛けられている。時姫が『爆柘榴』を保持したまま、誰かと互いにプラスの感情を結ぶと即座に『爆柘榴』が爆発して時姫は死亡する。さらにそのシーンに登場しているものは接近戦ダメージ1D6を受ける。時姫以外が持った場合『爆柘榴』は爆弾として扱う。あなたの【使命】は時姫の生死を問わない。

 

 は ぜ ざ く ろ !

なんて恐ろしいものが仕掛けられているんだ。1D6ってあなた……シノビガミの世界は1ダメージでも四肢が千切れ飛ぶレベルの重傷ですよ?最悪即死まであるとんでもない罠である。

さて、風贄さらさとの間には友情があるのでこの【秘密】は本来テレパシーで自動共有されてしまうのだが緒方友蔵は忍法【沈黙】を持っている。【沈黙】は何らかの情報を入手した際に発動させることで情報共有を無効化することができるという比良坂機関らしい忍法である。

しかし、緒方友蔵はあえて【沈黙】を使わず風贄さらさと【秘密】を共有することにした。風贄さらさの【使命】は時姫を一目見ることだがおそらく裏があるだろう。緒方友蔵の【使命】は『うがじんを倒し時姫を連れ帰る』こと。パペ○トマペ○トの【使命】が変わらず『時姫を連れ帰る』ことだと分かった今、共闘できる可能性があるのは風贄さらさだけなのだ。

情報の揃った風贄さらさがうがじんと敵対関係にあるのか、それを見極める必要がある。

 

かえるくん「あれ、今お弁当をくれた人はどこに?」

どこからか小銭が飛んできたが、緒方友蔵の姿はどこにも見えなかった。

サイクル3 風贄さらさ 行動:出雲ゆかりの【秘密】を探る

f:id:kya-9:20180812000143p:plain

大きな風が吹き荒ぶ中、出雲ゆかりの背後にフッと風贄さらさが現れた。

 さらさ「あら、あなたはこの前の人ね」

出雲「おわぁびywおわ!もうさらささん、すーぐそうやって後ろくるからビックリしちゃうんですけど!」

さらさ「ごめんね。またお菓子を作ってきたんだけど?」

出雲「えーお菓子ですか!めっちゃ嬉しいんですけどー!!えっ、食べていいんですか?」

さらさ「どうぞどうぞ♪いっぱい食べてくださいね」

出雲「いただきやーす!もじゃもじゃもじゃもじゃ」

聞きなれない咀嚼音を立て夢中でお菓子を平らげる出雲。前回と同じく【毒術】によって作られたお菓子なので食べるなり【秘密】を喋ってしまう。

 

風贄さらさは出雲ゆかりの【秘密】を入手し、テレパシーでうがじんにも共有された。

サイクル3 うがじん 行動:時姫の【秘密】を探る

f:id:kya-9:20180808051441p:plain

太陽の微笑みが2人を包む。影の住人には、あまりにもまぶしすぎる光の中、うがじんは【怪力】を使い時姫を高い高いしていた。

うがじん「時姫ちゃん。高い高い!高い高い!」

時折上空に放り投げたり低い低いも混ぜるなど飽きないよう工夫するうがじん。やがて時姫は満足したのか、うがじんに自身の【秘密】を伝える。

 

しばらく考えた後、うがじんは意を決したように吠えた。

「みんな!オラの生き様を見てくれえええ!」

全ての忍者にうがじんの【秘密】が曝け出された。

左近允右賀神の秘密

 うがじんは地獄門の錠前を担う一族の末裔である。うがじんの一族が死に絶えれば地獄門は開放される。うがじんは一族の血を絶やさぬために将来の伴侶を探している。うがじんの【本当の使命】は『うがじんが愛情の感情をもつ相手と結婚すること』だ。うがじんはいつでもこの【秘密】を公開し、時姫への感情を愛情に変更できる。

 

もう、うがじんの中に不信感は無い。あるのは真っすぐな愛情だけだ。

時姫「……本当にあたしのこと?」

うがじん「ああ、時姫ちゃん!オラ時姫ちゃんじゃないと雨の日も晴れの日も生きていけないよ!」

時姫「それじゃあ、証明してください」

そう言うと時姫は静かに目を閉じた。どこからか「キース!キース!」と囃し立てる声が聞こえる。

うがじん「ととととときひめ、時姫ちゃん!」

2人の顔が近づく。そして唇が触れそうになった瞬間ーー

 

突如時姫の体が光り、甲高い音と共に時姫は爆発した。

 

うがじん「時姫ちゃあああん!うわあああああああああ!」

爆発に巻き込まれたうがじんは瀕死の重傷を負ったがそれでも辛うじて生きていた。懐から『兵糧丸』を取り出す。生命力を回復することのできる秘薬のこれを飲めばなんとか命を繋ぐことができるかもしれない。しかし……。

 

目の前にはバラバラになった時姫だったものがある。

うがじん「し、死にたい」

最早生きる理由はなかった。

うがじん「ごめん、オラ死ぬ……」

 

その日、一人の男が星になった。

あれがデネブ、アルタイル、ベガ、そしてーーうがじん。

 左近允右賀神、死亡。

  

次回、完結