前回までのあらすじ
左近允右賀神が壮絶な爆死をとげた。残された忍び達はどうするのか?
使命の整理
緒方友蔵
使命:うがじんを倒し時姫を連れ帰る
パペットマペット
使命:時姫を連れ帰る
風贄さらさ
使命:時姫を一目見る ※秘密アリ
出雲ゆかり
使命:うがじんが幸せになること
うがじんと時姫は爆死してしまったのですが。もうこのセッション終わってしまったのでは?
しかし幸いなことに(?)時姫はバラバラになってしまったものの遺体はあるのでそれを持ち帰ればいいとの裁定だった。つまりここからは遺体争奪戦の始まりというわけだ。ちなみにうがじんは緑のスライムみたいにビチャビチャしているらしいがわりとどうでもよかった。
サイクル3 出雲ゆかり 行動:風贄さらさの【秘密】を探る
再び世界の終りのような暗黒の中、後ろからニュッと出雲ゆかりが現れた。
出雲「さらささーん」
さらさ「あら、ゆかりさん」
出雲「いっつもお菓子もらってばっかりで悪いから私も特製のアロマを持ってきたの」
さらさ「あらかわいい」
出雲「でしょ。ぜひ使ってみてくださいね」
特製の【香術】で作られたアロマの効果は絶大で風贄さらさは【秘密】を喋ってしまった。
サイクル3 パペットマペット 行動:出雲ゆかりの【秘密】を探る
ビルの屋上、眼下に広がる街並みを眺めるパペットマペットのところで出雲ゆかりがやってきた。
出雲「あら、こんなところで見せ物でもやっているのかし、ら!?」
覆面を脱ぎ、涙袋がくっきりとした端正な顔立ちの男がそこにはいた。「もう、時が近いな……」と意味深に呟く。
出雲ゆかり「え、いっつも下でうしとかえるでやってる人ですよね?」
パペットマペット?「誰だお前は!?」
顔を見られたからには生かしてはおけない。いや、待てよーーどうしよう。
少し悩んだが、パペットマペットは平和的に事を収めることにした。
パペットマペット?「実はこれも人間の被り物だったんだよ」
【衣装術】でそこまでできると言い張り、そのまま秘密を聞き出すことに成功した。
パペットマペット?「なるほど、どうやら目的が一緒になりそうですね」
覆面を被り直しパペットマペットはいつもの姿に戻った。
パペットマペット「それではうしくんかえるくんとともに頑張りましょう」
出雲ゆかり「そうですね、頑張りましょう!」
共闘の約束をして2人は分かれた。
クライマックスフェイズ突入
いよいよクライマックスだ。忍び達はうがじんと時姫の亡骸に群がるように集まる。
まずはパペッチマペットが「どうせ最終的には全員殺さないといけないし」と怖いことをいいながら顔を出した。続いて緒方友蔵が爆発したうがじんを確認し「ひゃひゃひゃ!」と高笑いしながら現れる。
緒方「これであとは時姫の遺体を回収するだけよ」
かえるくん「そうはいかないよ。僕たちも時姫を回収しないといけないんだから」
緒方「半分こでどうだ?」
かえるくん「迷うけどね。うしくん?」
うしくん「そうだねかえるくん。ーー君たち2人は何のために戦うんだい?」
うしくんの視線の先、風贄さらさと出雲ゆかりもいつの間にかここにいた。
さらさ「時姫の遺体は私がもらうわ」
緒方「さらささんは時姫をチラ見でいいんじゃないのか?ダメなのかい?」
さらさ「ほしいの。時姫の結婚式上げないといけないの」
緒方「遺体と!?」
さらさ「そう!」
出雲「私は、うーん。このスライムになってしまったうがじんの幸せってなんだろう?って考えたんだけど、あんなに愛してた時姫さんと埋めてあげるのが一番かなって思ったんだよね。だから、さらささんもそうならこの2人を幸せにして上げれると思うんだけど」
さらさ「えっ、そう?」
出雲「戦いましょう一緒に!この2人の幸せのために!」
パペットマペット「友蔵くん友蔵くん、僕たちも協力して戦おう」
緒方「そうだね」
パペットマペット「その後、僕たちだけでね」
緒方「ふふふ。まずは、ね」
うしくん「まずはあの2人を血まみれにしようじゃないか、ねえかえるくん」
かえるくん「そうだね、うしくん」
緒方「さらささん、僕との仲じゃないですか。まずはこっちで組んで1人脱落させるって手もあると思うんだが?」
出雲「いや、さらささん!でも私達あんなに女子会した仲ですよ暗黒の中で!」
さらさ「私は遺体が欲しいだけなんだけど……」
それぞれの思惑が渦巻く中、ついに最後の戦いが始まる。
ラウンド1
戦闘はヴェロシティシステムを使い最大6ラウンドのバトルロイヤル。全員体力の初期値は“6”で“0”になったものから脱落するというシステムだ。シノビガミの戦闘システム知らないって人はここでは詳しくは語らないので雰囲気で感じ取ってくれ!
真っ先に動いたのは緒方友蔵だった。銃弾に等しい速度で風贄さらさを殴りつけようと襲い掛かったがこのスピードは無茶が過ぎた。高速移動の負荷に耐えきれなかった緒方はしばらく行動ができない体になってしまった(逆凪)
緒方「な、なんてことだ……」
先制して主導権を握ろうとしたのが裏目に出てしまった。
続いてパペットマペットが民間人を操り風贄さらさを包囲しようとしたが難なく躱されてしまう(夢浄瑠璃)そして唐突に風贄さらさにニョキニョキともう一つ首が生えた(密首)絵面的に想像したくもないが、とにかく『二頭を持つ風贄さらさ』になった。
【密首】……もう一つ首を生やして攻撃を避けられても追撃できる
ラウンド2
痛手を負ったパペットマペットが真っ先に動く。
パペットマペット「ふふふ、僕を怒らせてしまったようだね……さあ、かえるくん!うしくん!本当の姿を見せてあげてよ!」
パペットマペットの奥義『うしくんとかえるくんが巨大化してみんなを食べるよ!』が発動した(範囲攻撃)
みんなを食べる……。
緒方「え、ぼくもですか!?」
話が違うじゃねーか!と思ったが共闘の約束は生きていたらしい。巨大うしくん&かえるくんは緒方友蔵には目もくれず風贄さらさと出雲ゆかりを襲う。パペットマペット、信用できる男である。
さて、敵対2人はダメージを負ったのでたたみかけるチャンスなのでここは手を緩めず最大火力でいくことにする。
緒方「それじゃあ僕も奥義を使いましょうかね。僕たちに逆らった、パペット君をいたぶってくれたやつらを倒していこうか」
風贄さらさを殺す気満々だったのだが射程内にいないことに気付仕方なくターゲットを変える。
緒方「じゃあ残念だな。ゆかりさん、死んでもらおうか!」
奥義『しゃちほこ崩し』(クリティカルヒット)
緒方友蔵が刀を地面に刺すと出雲ゆかりの足場は崩壊した。
落下してお陀仏と思われた出雲ゆかりだったが、なんとここで『兵糧丸』を使いギリギリで生きていた。
完全に『兵糧丸』のことを忘れていた緒方。これはまずい。
出雲「最後だし、わたしも奥義使います。友蔵とパペット狙いで」
まあそうなりますよね。
緒方「いや、考え直せ。さらささんにも撃っとけ」
出雲「撃ちません味方なんで」
緒方「すぐに寝首かかれるぞ、おい」
必死の説得はガン無視され奥義『スーパーチャクチ』(範囲攻撃)が放たれた。
思い切り跳びあがった出雲ゆかりの着地の衝撃に巻き込まれてパペットマペットと緒方が吹き飛ぶ。
さらさ「じゃあ私も奥義で」
奥義ブッパゲーになってしまったがこれが強いのだから仕方がないのだ。
風贄さらさの飼っている蛇が毒を吐き(範囲攻撃)パペットマペットと緒方友蔵2人は瀕死になった。
このままラウンド終了と思われたがパペットマペットが自らの体に仕込んだ火薬を爆発させるという荒業で反撃を試みる(埋火)しかし風贄さらさ、これをまさかの回避。体を張ったカウンターが不発に終わり失意のパペットマペットは『兵糧丸』をかじり、今度こそラウンドは終了した。
ラウンド3
気付けば風贄さらさ以外いつ死んでもおかしくない状況。先手をとらなければまずいということで緒方友蔵とパペットマペットは光の速さで動いた。弾丸の速さですら負荷に耐えきれなかったのでかなりリスキーな行動ではあるが、遅かったらどの道死ぬのだから仕方がない。
しかし裏をかかれたのか出雲・風贄の2人は距離をとっていた。
実は緒方友蔵、遠くの敵を攻撃する術をもっていない。どれだけ早く動こうと届かないなら意味がないのだ。緒方友蔵は光の速さで何もしなかった。
パペットマペット「ーーそうだなあ。このまま残してもそろそろキツイんだよね」
ん?
パペットマペット「だから、同盟はここまでだよ」
さ、奥義だ。と淡々と緒方を対象に含み宣言をするパペットマペット。ちなみにこの時点で緒方友蔵の生命力は“2”、奥義をくらえば終わる。信じられねえこいつ!
だが、パペットマペットの奥義はすでに一度見ている!【腹話術】の心得のある緒方は奥義破りに成功した。
パペットマペット「なに!?」
緒方「まさか裏切るとはね……」
パペットマペット「ご、ごめん手が滑ったよ、次からはちゃんとやるから」
かえるくん「今のはうしくんが悪いよ」
うしくん「いや、かえるくんが」
四肢はもげてボロボロのはずのパペットマペットだがそれでも腹話術はできるらしい。
次の機会で確実にトドメを刺そうと緒方友蔵は心に決めた。
続いて風贄さらさの手番なのだが、ここで緒方友蔵は【操り人形】を発動させた。
この忍法のためにわざわざ感情を結んでおいたのだ。ようやくそれを使える場面がきた。
緒方「それじゃあ、ゆかりさんを攻撃してもらおうか」
どうだ信じたものにやられる気分は?まあさっき自分もやられかけたところなのだが。
風贄さらさの攻撃が命中し出雲ゆかりはこのラウンドで脱落した。
ラウンド4
緒方「パペットくん、君が僕を裏切ったの忘れてないからね」
そんな風にプレッシャーをかけたからかパペットマペットは光の速さで行動を開始した。
パペットマペット「奥義をさらささんに撃ちます」
この時、となりの手の届く位置に緒方友蔵がスタンバイしており奥義を放ったが最後いつでも命を奪える体制にあった。
緒方「信じてたよ、パペット君」
協力してくれる間は生かしておいてやろう。残念ながら奥義は破られてしまったが二対一ならなんとかなるでしょう。
続いて緒方友蔵は奥義ではなくあえて接近戦攻撃を仕掛けた。最低ダメージの攻撃だと侮るなかれ。相手の弱みに付け込んで隙を突くことでその威力は倍増するのだ(揺らし)
だが、攻撃を仕掛けてから気付いた。風贄さらさの【秘密】……知ってたっけ?
なぜか知ってる気になっていたがそういえば知らなかった。ただの接近戦攻撃は結局最低ダメージに終わってしまった。
ここで風贄さらさは【悪食】と【肉風船】2つの忍法を使った。
【肉風船】……受けたダメージを射撃戦ダメージに変更する
接近戦ダメージは射撃戦ダメージに変換され、ノーダメージどころか回復されてしまった。
パペットマペット「強すぎるだろこれ……仲間割れとかしてる場合じゃねーわ」
緒方友蔵「頼みますよパペットさん」
シノビガミの世界で悪名を轟かせる余りにも強すぎるコンボに2人は改めて共闘を誓った。
しかし緒方友蔵に風贄さらさを非難する資格はないだろう。なぜなら【操り人形】も十分卑怯だからだ。最低でも弾丸の速度で動かないと使えないもののプラスの感情さえ結んでいればやりたい放題である。
このラウンドも風贄さらさを操ることに成功し、無事終えることに成功した。
ラウンド5&6
いよいよ佳境に入る。
勝負に出た緒方友蔵は弾丸の速度で奥義【しゃちほこ崩し】を放ったが、一度見せているため風贄さらさに奥義破りをされてしまう。
そして、奥義を使ってしまうとそのラウンドは他の忍法は使えない。
自由になった風贄さらさの奥義が放たれ、まともにくらったパペットマペットは戦いから脱落してしまった。
そして、最終ラウンドへ突入したのだが……。
これもう決着つかないでしょ?
お互いこのラウンドで残りの生命力を削り切れないし、さてさてどうしたものか。
エピローグ
緒方「なあ、もういいじゃないか。君の使命は時姫を一目見ることなんだろ?」
さらさ「私は時姫と結婚式を挙げたいの」
どうやら本当の使命はそういうことのようだ。
緒方「ああ、じゃあ今結婚式挙げていいよ。その後遺体持って帰るから。どうだそれで?」
さらさ「じゃあ分かった」
緒方「私が神父さんをやろう。緑色にの液状になったうがじんもちゃんと集めるから」
さらさ「わたしと時姫ちゃんなの!」
えっ、百合?
緒方「あ、そういうこと……じゃあうがじんはポイッってしますね。えーそれでは、これよりさらささんと時姫ちゃんの結婚式を執り行います」
【操り人形】の応用でボロボロになったパペットマペットと出雲ゆかりを参列者として配置して盛大に遺体だらけの結婚式が行われた。
緒方「おめでとう!」
パチパチパチパチパチパチパチ。
さらさ「私は時姫ちゃんを幸せにできたのかな」
緒方「きっと幸せだよ。時姫ちゃんの魂はさらささんと共にあると思うよ」
そう言いながら緒方友蔵は目線で合図を送る。待機していた比良坂機関の職員が現れ時姫の遺体の回収を始める。
緒方「これで満足しただろう。ではでは」
~後日~
緒方「友蔵、任務を達成したでござりまする」
上役「ごくろうであった」
緒方「裏切者の左近允右賀神も私の謀術にて葬っておきましたのでご安心ください」
上役「そうかそうかそれはよかった。他の忍びにはバレてないであろうな?」
緒方「ご安心ください、みんな死にましたよ」
1人生きてるけど隠忍の血統だし、まあいいや。
上役「我らは情報戦にて最強だからな。次の任務も頑張ってくれたまえ」
緒方「は!」
~おわり~
その他雑記
風贄さらさの【本当の使命】は時姫を自分の手で幸せにすることだったらしい。
それは別に結婚式でなくてもいいのでは!?と思ったがやっぱり女の子はお嫁さんに憧れるものなのだろう。たぶんおそらく。
緒方友蔵の【秘密】を見た時は後半時姫を押し付けあうドッジボールな展開になることを予想したが、まさか爆死するとは……。予想外過ぎる。
今回は全然描写しなかったがキャラクターメイクが楽しいゲームでもあるので興味がわいた方はぜひルルブを買ってプレイしてみてほしい。
わりと短時間でできる遊びなのでTRPGの入門にもおすすめしておく。

忍術バトルRPGシノビガミ基本ルールブック (Role&Roll RPGシリーズ)
- 作者: 河嶋陶一朗,冒険企画局,七原しえ
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