『巣作りドラゴン』というゲームをご存じだろうか?
ダンジョンをカスタマイズして侵入者を撃退する、いわゆる防衛ゲーなのだが、その面白さ・希少さからソフトにプレミアが付き、一時期5万円程で取引されていたという伝説の作品だ。あ、エロゲーです
先日、とある友人から情報が寄せられた。
「巣作りドラゴンっぽいおもしろいアプリが出た」
審査とか法とか大丈夫なのか!?と心配になる話だが、もちろんそっち方面のイケナイ要素はない。あくまでも防衛ゲーとして(重要)彷彿とさせる部分があるゲームがリリースされたとのことだ。
ならば試してみようではないか。
そのアプリは『ダンジョンメーカー』というらしい。
▼360円払えば無料でプレイできる神ゲー
詳しく聞いてみると、なんとダンジョンメーカーは有料アプリだった。
基本無料のゲームが当たり前に溢れる時代なので少々面食らったが、それだけ自信があるということなのだろう。逆に期待が高まったので購入。
お値段の方は360円。マクドナルドの大人気商品『てりたま』と同じ価格だ。
冷静に考えると無茶苦茶安いなこれ……。ゲームはあらゆる娯楽の中でもトップクラスにコスパがいいが、このダンジョンメーカーはどれだけの時間楽しませてくれるだろうか。
公式いわく『ローグライクダンジョンビルドゲーム』の本アプリ。ローグライクと言えば『1,000回遊べるRPG』でお馴染みの『不思議のダンジョンシリーズ』が頭に浮かぶ方も多いと思う。
実際に触れてみた上で断言しましょう。
ダンジョンメーカーも1,000回遊べるゲームである。
▼まずは目で楽しめ
起動してみるといきなり許される程度にはエロい!
紳士モードなる謎のモードもある!!
いや、そこじゃない。大事なのはゲーム性だ。
しかしここだけは見て欲しい!プレイヤーは最初に魔王を選択することになるのだが、
お分かりいただけるだろうか?
このゲーム、キャラクターがドット絵で描かれている!
△ちょこちょこ動くぞ
ロストテクノロジーは言い過ぎにしても伝統芸能ぐらいにしか受け継がれてなさそうな技術で贅沢に全キャラを起こすこだわりに感服。まあそんなの抜きにしても単純にかわいらしい。まずは存分に愛でろ。
▼思い通りにはならぬゲーム性。だが、それがいい
ゲームはカードで作られたマップを毎ターン1枚選んで進行していく。
△手前の3枚から選ぶ
選んだカードによってイベントの内容は異なるのだが、ローグライクというだけあってダンジョンメーカーはとにかくランダム要素が強い。イベントから仲間になるモンスターに戦闘報酬までランダムランダムのランダム尽くしだ。
プレイヤーはそんな不確定を盛り込んで取捨選択し、なんとか理想に近いダンジョンを作っていくことになるが、思いがけず高ランクのモンスターを入手して小躍りすることもあれば普段ならすぐ出るような罠がコンボに必要な時に限って出なかったりと実にままならない。
でも――このもどかしさがなぜかクセになる。プレイを始めるなら時間に余裕があるときにした方がいい。これは警告だ。やり始めると止まらないぞ。
『戦闘』はマスで区切られた部屋にモンスターや罠を配置して侵入してくる『勇士』を撃退するタワーディフェンス系だ。魔王が死ぬか勇士を全滅させるかのデッドオアアライブで引き分けなどという生ぬるいものはない。
シンプルそうに見えるがモンスターのスキルや罠には特定の条件で効果が倍増するものが多くあり、そのコンボや組み合わせを考えるだけでも楽しめる。各魔王も固有のスキルを持っているので特性に合わせた部屋づくりをするとより強力に能力を発揮できるなど意外なほどに戦術性は高い。
その他、買い物ができる『ショップ』や何が起きるかわからない『イベント』など豊富に用意されており飽きさせない。
△『イベント』はリスクもしくは対価が生じるものが多い
周回要素や図鑑埋めなどやり込み要素まで用意してくれているのはさすが有料アプリと言ったところだろう。
△ゲームオーバー時に得れる『転生ポイント』を使って追加要素を解禁していく。ここもランダム笑
▼なぜこんなにハマるのか?
従来の防衛ゲーと違う点はやはりローグライク要素だろう。ランダムと選択をセットで突きつけることで運ゲーと作業ゲーどちらも感じさせない絶妙な作りになっている。
さらに時間の空いた時にサッと起動できる気軽さがあるのでハマるなと言う方が無理な話だ。それでいて何時間もプレイできる奥深さもある、もはや逃れられまい。
さて、申しわけないが導入で述べた巣作りドラゴンのことは忘れてくれていい。そもそも僕が未プレイなので似ているかどうか判断できない。
ダンジョンメーカー。このゲームは単体で評価されるべき作品であり、値段を考えると迷わず買うことをおススメできるレベルの傑作である。