だむだむ畑

いろいろ植えてます。

CoC:まずはダイスを振れ、話はそれからだ③(初TRPG)

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 前回⇩

クトゥルフTRPG:まずはダイスを振れ、話はそれからだ②(初TRPG) - だむだむ畑

 

 

 


前回までのあらすじ

ようやく生贄の部屋から脱出した3人+1人。

続いて探索していた資料室でなんだか直観的にやばいと感じるファイルを見付けてしまった。 

皇太子ハスター

 ファイルには以下の内容が記されていた。

 

《名付けざられしもの、名状しがたいものと呼ばれる。牡牛座のアルデバラン付近に幽閉されし、邪悪の皇太子ハスター。
顕現するその化身は黄色の衣を纏い、蒼白の仮面を被る。

ゆえに、黄衣の王と私達は呼んでいる。

 

風の神の首領であり、ビヤーキーという翼をもつものが奉仕する。
ビヤーキーは笛を吹き、王の名ハスターを含む呪文を唱えることにより召喚する。
宇宙空間を移動する際は、黄金の蜂蜜酒を飲まなければ脆弱な人の身はたちまち滅びるであろう。》

召喚 の呪文
 いあ いあ はすたあ! 
 はすたあ くふあやく 
 ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん 
 ぶるぐとむ!
 あい あい はすたあ! 

 

禁忌を感じさせる内容を見てしまったが、今までの経験から精神的にタフになったのか動じない堤下インパルス。

しかし僕こと江戸川キャナン、インパルス板倉、ナルくんの3人はごっそりSAN値を削られてしまった(正気度ロール失敗1人、致命的失敗2人)

 

まあ、いあいあ はすたあ!あいあい はすたあ!だからな。

正気じゃやってられないだろう。仕方ない。

 

さて、ここでファイルを読んだ僕は一つの仮説を立てた。

 

ナルくんこと鳴神が、邪悪の皇太子ハスターその人なのではないのか?

 

なんだろう、ナルくんのイメージに『皇太子』があまりにしっくり来てしまったのが原因だと思うのだが、

f:id:kya-9:20180506151141j:plain←ご尊顔

ともかく僕の中に、助けるふりをしながら生贄どもが右往左往するのを見て楽しんでいるのではという疑念が生まれたのだった。

このド外道がぁ。

 

しかし話に出したもののそれを確認する術があるわけではない。

ましてや「皇太子バスター?」と読み間違えて、キン肉マンかよwwwと嘲笑される程度のクトゥルフ知識しか持ってない僕の判断だ。当然のごとくサラッと流された。

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管理室

資料室にはもう他に見るべきものはないので「次行こうぜ」となった。

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 幸い部屋の扉には鍵がかかっていないのでこじ開ける必要もない。

次は『管理室』に向かうぞー!というところでやはり慎重な男板倉が廊下にしっかりと聞き耳を立てる。他の3人もやることがないので一緒にやることにした。

 

廊下では誰かが歩いている音がする。しかしそれは次第に遠ざかって行きーーーーついに聞こえなくなった。

 

今がチャンス!

ダッシュで部屋を飛び出る一同。

 

管理室は廊下を挟んだ目の前。即で到着したが、中からは何かの物音が聞こえる。

どうするべきか? 

いや――考えている時間はない。意を決して部屋の扉を開けた。

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 部屋に入ると中は無人。

物音の正体はラジオだった。驚かせやがって……ほっと一息である。

 

室内の様子は、壁に鍵が大量にかけられており、冷蔵庫と机がある。机の上には『連絡ノート』と書かれたノートがあった。

 

「管理室というより管理人室って感じだな」

 

とりあえず僕は机の上のノートに目を通すことにした。

 

『連絡ノート』には数日前の日付で目を引く記述があった。

 

《何者かにより職員用のネットブックが盗まれた》

 

どうやら木箱の中に収められていたネットブックは誰かに盗まれたものだったらしい。

いったい誰が盗んだのか? 謎は深まるばかりだ。

 

次に板倉が部屋全体を調べたが、何も見つけることができなかった(目星失敗)

壁には大量の鍵がかけてあるが、どれが必要な鍵か把握できていない状態。全部を持っていくには嵩張るし、何より「ジャラジャラ」と音がなる。

それは移動する時バレそうで危ないなと困っていると堤下から奇策が出た。

 

「包帯でグルグル巻きにして持っていこう」

 

包帯万能説!確かにそれなら音はならない。

どう考えても正式な手順とは思えないが、問題ないらしいので鍵の束はすべて堤下のバッグの中に入れられることになった。

 

最後に堤下が冷蔵庫を調べた。

開くと中には大きな瓶があり、中身は金色の液体で満たされている。

蓋を開くとほんのり甘い香りがした。

 

「蜂蜜のにおいだね」とナルくんが告げる。

 

「おー黄金の蜂蜜酒。これかー」 

Foo↑っと早速持って来た小瓶に移し変える堤下。

そういえばメモで《冷蔵庫に保管すること》とあった。人間が宇宙空間で生存するために必要らしい超重要そうなアイテムだが鍵もかけられず冷やされていて不用心ではなかろうか。どうにも拉致組織の管理体制のガバさが気になってきた。

 

2F保管庫

「どうする?もう酒飲んどく?」

次の行動を決めるための話し合いでまず最初に話題になったのが黄金の蜂蜜酒だった。

いつ必要かわからないしもう飲んでおけばいいんじゃない?と思ったのだが、これはお酒ーーアルコールである。万が一酔っ払ってしまうと今後の探索が不安だ。

 

議論の結果、堤下だけ飲むことになったのだが、思ったよりアルコール度数が高かったらしく酩酊状態になってしまった(CONロール失敗)

 

『神様の部屋』はなんか怖いし、とりあえず手前にあるこっちからにしよう。

そんな理由で次の目的地は2階の『保管庫』に決まった。

毎度のごとく板倉が聞き耳を立て、大丈夫だろうと判断した上で「うい~」っと呂律の回っていないへべれげと化した堤下を連れ、そそくさと二階への階段を登った。

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2階の廊下には大きな窓があり、外の様子が伺えた。

窓の外には人気が一切なくどこかの山奥のような景色が広がっている。美しい満点の星空が、逆に不気味だった。

 

『保管庫』には鍵がかかっていたが、管理室から持ってきた鍵で開けることができた。

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 中には埋め込み式の金庫とカーテンの閉ざされた棚があった。

 

金庫には数字が記載されたボタンが並び、小さな画面には『000』と映しだされている。

 

すぐにピーンときた僕たちは依然ネットブック内を検索した時に出てきた謎のパスワードを入力してみることに。

 

8、2、1。

 

あっさりと開いた金庫の中には『ホイッスル』が入っていた。

ここで頭に思い浮かぶのは資料室にあったファイルの一文だ。

 

《ビヤーキーは笛を吹き、王の名ハスターを含む呪文を唱えることにより召喚する》

 

ホイッスル。蜂蜜酒。王の名を含む呪文。

 

どうやら準備は整いつつあるようだ。

あとは『神様の部屋』にいけば風の神とされるビヤーキーがいるのだろうか?

 

そんなことを考えながら棚にかかったカーテンを開くと、中にはホルマリン漬けにされた動物の死体があった。

どの動物も歪な形をしており、背中にしわしわの膜が生えている。

 

まるで、蛹から出てきたばかりの昆虫のような異形。

 

その衝撃的な生物を目にしてしまった僕はーーわりと余裕だった(正気度ロール成功)

 

「見るなお前たち!見るな!」

カーテンの中身を気にする板倉に見せないよう、すぐに閉めるという配慮も忘れない。

 

さて、どうやら必要なものも揃ったようだし、この部屋にはもう他に見るべき場所もないようだ。いよいよ次は『神様の部屋』かと意気込む僕だったが、板倉は聞き耳を廊下ではなく壁に当てた。

 

「となり神様の部屋だしなんか聞こえんかな?」

 

その発想はなかった。自身の脳筋ぶりを恥じるばかりである。

 

神様の部屋からは壁越しに「「いあ…いあ……はすた……」と声が聞こえた。

 

なんかやってるよ、やべーよ。

 

どうしよう? 確実に人いるよ、戦闘になるよ、酔っ払いいるけど行く?

狼狽える僕たち。そこに、ナルくんが声をかけてきた。

 

「寄り道してていいのかい?」

 

さて、前にも言ったとおり僕はナルくんのことを敵だと疑っている。

この終盤、まだ探索していない残された部屋に行こうというのは流れとして自然である。それをなぜ止めようとするのか。怪しい。

 

ここで僕はついにナルくんに対して「心理学」を使うことにした。

心理学とは相手が何を考えているのか読み取るスキルである。

これで敵か味方はっきりさせようと考えたのだ。

 

決着をつけようじゃないか、ナルゥ!

便乗した板倉とともにナルくんの心をのぞき込むことに決めた。

 

だが、これがまずかった。

 

「僕の心を読むようなマネしないで欲しいな」

 

どうやら見てはいけないものを見てしまったらしい。

 

『SANチェックです』

 

僕はなんとか正気を保ったが、板倉は精神に大ダメージを負ってしまう結果になった(致命的失敗)

 

はい。僕が悪かったです。

ここに来てようやくわかりました。手に負える存在じゃない。

ご好意で手助けしてあげると言ってくださっているのだからアドバイスを素直に聞いておけばよかったのだ。

 

罰が当たったのか、聞き耳を立てるものの廊下の様子が全く把握できない僕たち(全員聞き耳失敗)

 

もうどうすることもできない……。

仕方なく廊下に出ると、そこには黄色いローブの男が5人待ち構えていた。 

戦闘開始

ついに戦闘になってしまったが相手は5人な上にこちらは1人酔っ払いである。

圧倒的状況不利。

しかも敵の2人は銃まで持っているという!

 

戦闘における銃の性能は凄まじく、まず確定で先制攻撃を仕掛けてくる。

さらにそこから通常の攻撃が始まるのでdex(素早さ)6の鈍重な僕は動き出すまでに最低でも4発の銃撃にさらされるのは確定していた。そして僕のcon(頑丈さ)は5という虚弱っぷりである。

 

死を、覚悟しました。

 

しかしいざ始まってみると銃がなかなか当たらない。ヒャッホイ

結局僕のターンが来るまでに命中したのは2発。しかも被弾したのは堤下と板倉なので個人としてはノーダメージでピンピンしていた。

 

とはいえ、こちらも相手に痛手を与えれているわけではない。

堤下パンチで若干のダメージはくらわしたが続く板倉はまさかの転倒(100ファンブル)。次の自分のターンまで回避行動もとれないという踏んだり蹴ったりな状態になっていた。

 

そんな状況で回ってきたのだからしっかり仕事をしたい。

 

str18、最大筋力による『キック』

その破壊力を特と味わえ!

 

銃の威力をはるかに超える凄まじい一撃が決まった(クリティカル)

絶命は免れたものの瀕死の重傷を負いボロ雑巾のようになる黄色ローブ。

 

ヌンチャクよりもバールよりも強いと言う評判は嘘じゃなかった。

まだまだ不利だが、キックでなんとかなるかもしれん。

そんな希望を抱いたタイミングで、またしてもナルくんが口を開いた。

 

「逃げるというのも手だと思うよ」

 

逃げる!そういうのもあるのか!

殲滅することばかり考えていたが、別に皆殺しにするのが目的ではないしな。

ようは無事に脱出できればいいのだ。

 

そう考えれば逃げるというのはよき案である。

幸い敵がいるのは階段とは反対側なのでルート的には大丈夫。

問題があるとすれば、僕が致命的に足が遅いってことだ!

 

※参考資料 

【クトゥルフ神話TRPG】能力値の決め方や詳細はこれさえ読めばバッチリ! | 今でもゲームが好き

ちなみに、インパルス板倉は13、堤下インパルスは14である。ナルくんは知らん

 

逃げるか?戦うか?

 

少しの話し合いを経て、僕たちは階段に向けて走り出した。

目指すは屋上。脱出に必要なものは揃っているはずだ。辿りつけさえすればなんとかなる!

 

だが、ここで恐れていたことが。

 

こ、転んだぁ!!(dexロール失敗)

 

最後にやってしまった。

転倒中は攻撃の回避は不可能。間違いなく、死ぬ。

 

さよならみんな。僕の分まで生きてくれ。

 

ーーーーその時、倒れ込む僕の体を掬いあげるように支える腕が伸びた。

            

f:id:kya-9:20180518225049j:plain「大丈夫か江戸川くん」

堤下インパルス!イケメン過ぎる(dexスペシャル)

 

済んでのところで酔っ払いに救われた僕はなんとかみんなと階段を駆け上がった。

 

ビアーキー召喚、脱出

階段を登り切ると、そこには鉄製の扉があり鍵はかかっていなかった。

扉を開くと、冷たい夜風が頬を撫でる。コンクリート製の床には、大きな魔法陣が描かれている。

 

いかにもという雰囲気である。

 

「綺麗な星空だね、あそこに見えるのが牡牛座かな?さて、帰りの支度をしようか。僕の役目もここまでだね」

 

ナルくんはそう呟き、名残惜しそうな表情を浮かべたがすぐに笑顔に切り替えた。

 

 「さて、蜂蜜酒で乾杯しようか。呪文を唱えて?」

 

急げ急げと蜂蜜酒を呷るように飲む僕と板倉。

余裕たっぷりなナルくんだが、すぐ後ろには先ほどまで銃をバンバカ撃ってきてたローブ集団が迫っているからこっちは気が気じゃない。

 

  いあ いあ はすたあ! 
 はすたあ くふあやく 
 ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん 
 ぶるぐとむ!
 あい あい はすたあ! 

 

 呪文を唱え終わると、僕たちの呼びかけに応じるようにどこからか異形の翼をもつ生物が降りてきた。

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そのおぞましい姿をみた板倉は「この曲クトゥルフでよく使われとるけど普通のキャロルやからな」とよくわからないことを言った。あまりのことにメンタルがもたなかったのだろう(正気度ロール致命的失敗)

 

降りてきた生物は見た目に反してとても従順で、僕たちの前に降りると恭しく頭を垂れ背中を無防備に向けてきた。

 

「それじゃあまたね。楽しかったよ」

 

ナルくんに見送られながら異形の生物に跨り、僕たちは空高く飛び上がる。

星空の間を駆け抜けていくうちに流れる景色に誘われるように抗うには惜しいほどの心地よい眠気が訪れた。

 

「黄金の蜂蜜酒と魔力を込めたホイッスル、一回分だけお土産だよ。 ハスターのやつの邪魔を出来てボクも随分と気分がいいから、そのお礼」 

 

どうやらナルくんはハスターじゃなかったらしい。

まあ結局最後までしっかり味方してくれたしね。疑ってほんとごめん。

 

「また、いずれ会おうか!!この、ニャルラトホテプとね!」

 

そこで僕たちの意識は途切れた。

 

エンディング

目を覚ませば、そこは天井も壁も白い見慣れない部屋だった。

真っ白なカーテンが開かれると、そこには真っ白な服……ナース服を纏った女性が現れた。


「目が覚めましたか?良かった…、丸一日間眠りっぱなしだったんですよ」


どうやら、ここは勤務先に近い病院らしい。看護師に呼ばれてきた医師の話によれば、外傷は一切ないもののただひたすら道端で眠っていたそうだ。

あれは、夢だったのだろうか。

そもそも、あれとは何だったのだろうか。記憶は曖昧で、昨夜の出来事を詳しく思い出せない。

鞄の中にはいつの間にか、黄金色の液体が詰められた小瓶と安っぽい笛が入っていた。

                                  ~END~

まとめ・振り返ってみて

正直に言います。この感想録はかなり怪しい内容である。

ちゃんと記録してなかった僕が悪いのだが、時が経つにつれてどんどん記憶があいまいになっていってしまい、ぶっちゃけ細かい部分は覚えてないから適当にでっちあげています!本当に申し訳ない。

 

それゆえ後半のロールプレイも再現が難しく、板倉・堤下両名の魅力を全く伝えられていないのが心苦しい。

ただ一つ確実に言えるのは、めちゃくちゃ楽しかったってことだ。

 

本シナリオをプレイするにあたりキーパー並びにセッションに没入できるようイメージイラストまで提供してくれたサブキーパーの2人には感謝しかない。本当にありがとうございます。

 

僕自身の反省としてはナルくんごめん!の一言である。

最後まで疑ってた。たぶん僕以外は正体に気づいてたんだろうと思う。ちなみに、このまとめでは表記は『ナル』で統一しているが(僕がそう聞こえたため)公式でははっきりと『ニャル』と書いてある。普通気づくよなぁ?

 

弾避けに使おうとしたり、黄色い箱開けさせようとしたり—ー――うん、ひどい!

 

ちなみにセッションが終わった後に「NPC(ナルくん)をもっと大事にしてあげてね」とアドバイスをいただきました。本当に申し訳ないw

 

これをきっかけに僕はCoCのルールブックを購入し、現在もどっぷりハマっている最中なので興味がある方はぜひ一緒にやりましょう。

 

それでは。目を通していただいてありがとうございました。

 

シナリオ本家様↓

「【CoCシナリオ】まずはダイスを振れ、話はそれからだ。」/「にこいち」の小説 [pixiv]

 

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