めちゃくちゃ偏屈で頑固な爺さんのかっこよさに涙する話。とてもとてもよかった。
主人公の爺さん戦争経験者なだけあって胆力が違うぜ。
「“怒らせたのが大間違い”という相手もいるんだ。例えば俺だ」
女の子を助けるシーンは文句なしにかっこよすぎた。毎回揉めた相手に「イカれてんのかジジイ」って吐き捨てられるのがたまらない。
現代の感覚でいくと色々問題のあるおっさんなんですけどね。ツバとか挨拶代わりに吐きますし、女の子を口説かないとヘタレ呼ばわり、日本車に乗ってたら舌打ちされる。身近にいたら絶対腹立つ頑固ジジイです。だが、それがいい。
頑固なのは爺さんだけじゃない。お隣のミン族も変わった“しきたり”があったり掟だからと言って無理を通したりとなかなかに面倒くさい。シャーマンのお礼の占い?とか通訳しないでいい内容だろ。神父さんにしても憩いの場のバーにまで来て説法かよと言いたい。
でもそんな、迷惑だ!来るな!と拒絶してるのに笑顔でズカズカ踏み込んでくる人たちにこそ救われる辺りがどうしようもなく不器用なんです。上っ面を整えてよそよそしい息子たちとは良好な関係を築けないという対比が辛い。
すっかりミン族と仲良くなって庭で肉焼いてるシーンが好きすぎるんですが、その分それをぶっ壊したアジアンヤクザどもが許せん!!悔しいけどあいつらの嫌らしさは見事だった。「助けてやったんだから」「仲間にしてやるから」「俺の顔に泥を塗りやがって」ああ胸糞悪い!『家族』って入れ墨の煽り効果もやばい。なんなんだこいつら。
そんな連中を相手に主人公がとった行動、最後は決してハッピーとは言えないものだったが、この話はあれでよかったんだと思う。悲しくも美しく、そしてかっこいい爺さんの生きっぷりに夢中な2時間弱だった。
余談だけど、黒人ギャングに絡まれた時に事を収めるために必死に仲良くなろうとした白人ボーイがボロクソ言われるの可哀想すぎた。いや無理でしょあの状況。誰か彼にマシンガンをくれてやってくれ。あとグラントリノみんなから欲しがられるだけあってカッコ良かった。
ちなみにこれもAmazonプライム会員なら無料で見れます。良すぎたんで見てなかったら死ぬまでにはどうぞ。