ジノビガミ、究極の戦いが始まる!!
シノビガミは忍者になって戦うTRPGである。
忍者=NINJAが世界的に大人気であり憧れの存在なのはもはや常識であり、その魅力を改めて説明するのも野暮というものだろう。
海外での調査によると「忍者になりたいか?」との質問に約50%の人間が「忍者になりたい」と答えたという。
聡明な方ならこれが『世界の半分はシノビガミをやりたがっている』とほぼ同じ意味であることに気付くだろう。
もしかすると今後大流行するかもしれないシノビガミ。
発祥国の民として触れておかねばなるまいと思っていたところ、この度プレイする機会に恵まれたのでその報告をまとめる。
登場忍者紹介
左近允 右賀神(さこんじょう うがじん)
『隠忍の血統』だが村八分され現在はハグレている。「緒方友蔵」より依頼された「時姫」強奪任務の最中突如失踪、行方をくらませる。緑色。
緒方 友蔵
国の諜報機関『比良坂機関』に所属する忍者。呪術兵器「時姫」の強奪を上司から命じられ「左近允右賀神」に依頼する。普段はお弁当屋さん。
パペ○トマペ○ト
『斜歯忍軍』所属の「うしくん」と「かえるくん」のペア忍者。護衛していた少女「時姫」が誘拐された。コント内容を知るものがいないのでロールプレイは雑である。
風贄 さらさ
『隠忍の血統』。隠忍殺しの呪術兵器「時姫」が何者かによって奪われたと聞き興味を示す。
出雲 ゆかり
『鞍馬神流』所属。上役から賊抹殺の命令が下ったが・・・。
時姫
本シナリオの『プライズ』。流派合同で研究されていた呪術兵器だが、左近允右賀神に連れ去らわれる。
セッション開始
シナリオ名は「ロードムービー改め」。
なお筆者は「緒方友蔵」の中の人なので視点は基本的に緒方のものになる。お許しいただきたい。
プロローグ 時姫強奪依頼
こ綺麗なマンションの一室。緒方友蔵と左近允右賀神が密談を始めようとしていた。
忍者らしくない住まいと思われるかもしれないが舞台は現代である。さらには国家公務員の『比良坂機関』所属の緒方である。それなりにいい暮らしをしている。
緒方「ーーーー右賀神さん、あなたに頼みがある」
はい↓と訛りのあるイントネーションで右賀神が答える。
※以後右賀神のセリフは東北弁で再生してください。
緒方「兼ねてより話にあった『時姫』のことなんだが」
右賀神「ああ、緒方さんがこの前言ってた」
『時姫』。鞍馬神流、斜歯忍軍と合同で開発している“呪術兵器”。
緒方 「そう、アレをね。君に強奪してもらいたい」
比良坂機関の上層部は時姫の独占を計画しており、そして今実行に移そうとしていた。
右賀神「ええっ、それは……オラじゃなきゃダメなんですか?」
露骨に嫌な顔をする右賀神。いいから行ってこいや!と思っても態度には出さない。
緒方「君ならできると思ってのことだ!」
励ますように言う。少し悩むそぶりを見せたが、やがて右賀神は「分かりました」と頷いた。
緒方「分かってはいると思うが、くれぐれも内密にな」
右賀神「わかっただ。口は堅ぃ、方なんだ」
緒方「ならばよい、行け!」
気の抜けた返事をすると右賀神は夜の闇に消えた。
各キャラ導入フェイズ
シナリオ本編に入る前になんと各キャラクター個別に導入が用意されている。
その際各人に与えられる果たすべき目的『使命』が公開される。
緒方友蔵編
突如上忍に呼ばれた緒方。
上忍「おい、友蔵」
緒方「はっ! お呼びでしょうか」
上忍「お前が雇ったという忍者がいただろう?」
緒方「左近允右賀神のことでございましょうか?」
上忍「ああ、その左近允右賀神なんだがな。どうやら時姫を連れて逃げたらしい」
緒方「まさか!何かの間違いでは?」
上忍「いや、確かな情報だ。これが他の流派に知れてはまずい。一刻も早く時姫を連れ帰るのだ」
緒方「申し訳ありません。すぐに対処いたします」
上忍「ああ頼むぞ。それと右賀神は始末しろ。お前ならやれるな?」
緒方「お任せください。自らの失態は自らで取り返します。取り返す?」
使命:左近允右賀神を倒し、時姫を連れ帰る。
パペ○トマペ○ト編
ビルの屋上。パペ○トマペ○トは上役と町を見下ろしていた。
上役「パペ○トマペ○トよ、あの煙が見えるか?」
かえるくん「ぼくには見えないよ」
うしくん「かえるくん目が悪いねぇ、あそこだよあそこ」
上役「ええい何をやっている!あの煙だあの煙!!」
うしくん「ほらかえるくん、あそこだよ。それであの煙がどうしたの?」
上役「いや、あれはな。時姫が連れ去られたという報告の煙だ」
かえるくん「時姫?時姫って」
上役「私たちが作っていた呪術兵器だろ!?」
うしくん「ああ、あれが時姫なんだ!」
かえるくん「初めてきいたね」
上役「この前まで預かっていたはずだが……?」
うしくん「僕たちとり頭だからね、うしだけど」
上役「まあいい。なんとしてでも時姫を取り返してくるんだ」
うしくん「モ~。分かったよ」
🐮パペ○トマペ○ト🐸
使命:時姫を連れ帰る
風贄 さらさ編
ビルの屋上。風贄さらさは清掃員になりすました配下のものから報告を受ける。
配下「あそこに時姫がいますよ時姫が」
さらさ「時姫って?」
配下「あの隠忍殺しの呪術兵器っすよ、ほら、前からさらささん見たいって言ってたじゃないですか」
さらさ「そうだっけ。でも見れるなら見ておきたいわね」
配下「でしたら、追わないといけませんね。アッチの方角に去って行きましたけど」
さらさ「そうね、じゃあ行くわ」
そう言うとさらさはダッシュで闇に消えた。
使命:時姫を一目見る
出雲 ゆかり編
出雲ゆかりは上忍から左近允右賀神の写真を渡された。
ゆかり「え、この人って前に一緒に任務した?漢字が読みにくい……うどん、うどんさん?」
上忍「右賀神(小声」
ゆかり「うがじん!右賀神ですよねこの人。えっ、どうかしたんですか? こいつ」
上忍「この右賀神をね、抹殺してほしいの」
ゆかり「抹殺!?」
上忍「この男、あの時姫を奪い去ってしまったらしいの」
ゆかり「えっ、あの時姫をですか?」
上忍「そう。私達鞍馬と、斜歯人群と比良坂で作っていたあの呪術兵器時姫よ」
ゆかり「そんなことが……」
上忍「時姫の秘密が外部にバレたらまずいわ。そこで優秀な忍びであるあなたにお願いしたいの」
ゆかり「昔一緒に任務した右賀神。死にそうなところを一緒にくぐってきた仲だけど、そういうことなら私やります!」
上忍「頼んだわよ」
ゆかり「ハイッ!」
使命:時姫を連れて帰る。
左近允右賀神編
オラの名前は左近允右賀神。見ての通り肌は緑で角も生えてる。
覚えにくい名前のせいで村八分にされ、生き辛い人生を送ってきた。
煩い上司、比良坂の緒方の依頼で今回は少女の誘拐。こんな面倒くさい任務にオラは、苛立ちを覚えていた。
ビルの屋上、中央にその少女は立っていた。
「君が時姫だね?」
少女は黙って頷く。
(こ、この子はオラを見ても嫌な顔をしない。なんて可愛い子なんだ)
「オラ、この子と一生添い遂げたい!!」
虚ろな目をした少女はその場に立ち竦んでいる。
「さあ、時姫ちゃん。オラと一緒に遠いところに行こう!」
右賀神は時姫をお姫様抱っこすると、夜空の闇の中を走っていった。
「あれがデネブ、アルタイル、ベガだよ」
ロマンティックな星空の下、2人の逃避行が始まった。
使命:時姫を逃がす。
秘密
いよいよここからメインフェイズに突入するのだが、ここで緒方友蔵の【秘密】を公開しておく。
簡単に説明をすると、各キャラクターは【使命】とは別に、それぞれ隠しておきたい重要な情報【秘密】を持っている。それは他のプレイヤーには明らかにされない。
【緒方友蔵の秘密】
緒方友蔵は左近允右賀神に恨みを抱いており復讐の機会を窺っていた。時姫はそのための“餌”である。物語の終盤、クライマックスフェイズ突入時に時姫と一緒にいたキャラは時姫の瘴気を受け自らの一族を皆殺しにする妖魔と化す呪いを受ける。
この呪いはーー時姫が死ぬまで解けない。
その②に続く